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ジースタイラスとインターノウスが初コラボ!ITエンジニア育成を目指した業務提携の裏側を公開

2021年10月、ジースタイラスとインターノウスが、若手ITエンジニアの育成に向けて業務提携を発表しました。第1弾は、ジースタイラスの会員学生に対し、ITエンジニア育成プログラムをインターノウスが無償で提供します。

今回は、ジースタイラスの折阪さんとインターノウスの中舘さんに、提携に至った経緯や、お二人が課題を感じている「教育」について、詳しくお話を伺いました。

同時期に会社を設立したジースタイラスとインターノウス。それぞれの思いは?

渡邉(インタビュアー):まずは事業領域や理念について伺いたいと思います。インターノウスさんから教えていただけますか。

中舘(インターノウス):当社は2005年に設立して、ITエンジニアの転職支援・教育・派遣を16年やっています。

10年ほど前から、プログラミングスクールを開催してITエンジニアの教育事業をスタートしました。ITエンジニア不足の中、企業側も何とかしなければいけないと思いつつも、育成ができない企業が多かったんです。ですので、新卒や第二新卒の方々を我々が育成してご紹介するところに価値があると思って、この事業を始めました。
当社の場合、求職者の方に無料で勉強していただく代わりに、当社を通して就職・転職活動をしていただくというモデルでやっています。
私自身、教育が好きということもあるんですが、会社の戦略として本事業はまだまだ伸ばせる事業だと思っているので今後も注力していきます。

2021年には「toiroworks(トイロワークス)」という新卒向けのサービスも開始しました。
各企業の各部署のハイパフォーマーにCUBICという業界No.2の適性診断を受験してもらい、その診断結果に近い学生さんにその企業をレコメンドする仕組みになっています。
事業としてはまだ投資段階なんですけど、営業にかなり力を入れていまして、サービスのローンチから半年で600社以上の企業さんに導入いただいています。

渡邉:中舘さん、ありがとうございます。次に折阪さん、ジースタイラスについて簡単にご紹介いただけますか。

折阪(ジースタイラス):当社もインターノウスさんと同じくらいの時期、2004年に設立しました。創業以来、逆求人フェスティバルという採用イベントをやっています。
逆求人フェスティバルは、私が大学生の時に作った学生団体からスタートしています。実は私も教育における課題をずっと感じてきたんですね。同じ教育を受けているけれど、人によって能力や個性が様々で面白いなと思っていて。その個性が潰されるのが就職活動だと思っていたんですよ。せっかく色がついてきた大学生が、就職活動によって色がなくなっていくプロセスって、社会にとって本当にいいんだろうか?って疑問に感じていたんです。

当時は就職氷河期の真っ只中だったんですが、金太郎飴のような同じような学生をつくっていく就職活動のプロセスを打ち砕いていきたいと思っていました。それぞれの学生の「色」を出すためにいい方法ないかと模索していた時、テレビでオーディション形式の歌番組が流行っていて、就職活動もオーディション形式にしたらもっと色がつくんじゃないかという思いでスタートしたのが逆求人フェスティバルです。

中舘:面白いですね。

折阪:当時はそれをビジネスにしたいという思いではなく、社会に一石投じたいという思いでやっていました。いざやってみると、学生、企業ともに評判が良くて。大手ナビ媒体と違った就職活動の仕方があってもいいんじゃないかと思って、その後創業しました。

渡邉:ジースタイラスさんは昨年、色々と動きがあったんですよね。

折阪:まずは業界をITに特化しました。世界レベルでIT産業が注目される中、日本は遅れていると言われていて、もっとIT業界を盛り上げたいなという気持ちで業界を定めました。

そして「就活は1日で終えられる」というビジョンをつくり、再出発しました。就職活動の期間ってすごく長いと思っていて。1年間かけてやるものじゃなくて、1日でもいいんだよ、違ったらまたやったらいいんだよ、そんなメッセージを発信したくてビジョンを策定しました。


インターノウスさんのオフィス

貧困から抜け出すきっかけを若者に。無償でITエンジニア研修を提供。

渡邉:先ほど中舘さんと折阪さんから「教育」という言葉が出てきました。中舘さんはどんなきっかけで教育に興味を持ったのでしょうか。

中舘:実は私、すごく特殊な経歴で。家が貧乏で、闇金がくるレベルだったんですよ。家に帰ると、闇金の人がきてピアノが無くなっていますみたいな状況で。父親が会社をやっていたんですが、失敗してしまい途中から鬱のような感じになって、全然働かなくなっちゃったんですね。

そんな中私は、高校時代に落合信彦さんの本を読んですごく衝撃を受けて。落合さんは戦後貧しい時期に渡米していて、自分も高校を卒業したらアメリカに行こうと思ったんです。アメリカに行ったら人生変わると思って。でも当時お金がなかったので、英語を勉強しながらお金を稼げるという理由で、高校卒業後にすぐに米軍基地で仕事を始めました。アスベストという有害物質の仕事だったので、防護服を着ながらの作業という危険な仕事だったんですが、日給12,000円ほどもらえて、英語も勉強できました。当時の高校卒業したばかりの自分にとっては悪くない仕事でした。

渡邉:日本でお金を貯めた後、そのままアメリカの大学に進学されたんですか?

中舘:実は稼いだお金は全て父親に取られてしまって。また稼がなくてはいけない状況になって、ケーブルテレビの営業の仕事をしました。インセンティブで稼いでお金を貯めて、その後アメリカに行ったんですが、留学中に貯めていた学費をまた父親に取られてしまったんですね。結局大学を卒業せず日本に帰ってきまして、その後起業するに至りました。

日本の大学生って、ちゃんと勉強する人とそうじゃない人がいるじゃないですか。でも会社入る時は、大学で何を学んだかよりも大学卒という学歴が重視される。
私は金銭的な理由で大学に行けなかったのですが、勉強は結構好きなんです。それこそ落合信彦さんの本で、ビジネスマンたるもの世界の哲学や文学、歴史を知っていなきゃだめだというので、独学で勉強していました。遊んでいる大学生よりも、独学ですが勉強してきた自負があったんですが、学歴でフィルターをかけられてしまうという悔しい状況で。なので、 表面的なもので判断されるのってどうなんだろう?ってずっと思っていたんですね。

当社がITエンジニア教育を始めた時は、まだIT業界でも同じような状況で、経験年数のみが評価されたり、どこの大学を出たか、情報系の学部かどうかなどが重要視されていました。でも、必ずしも経験年数が長いからと言って高いスキルがあるわけでもないですし、大学でITを学んだからといって、全員がしっかりとスキルを習得しているわけでもないんですよね。逆に非大卒、非情報系でも独学等でしっかりとスキルを習得している人もいます。実際、文系出身のCTOや非大卒のCTOで優秀な人はたくさんいますよね。
また、当時はどの企業もエンジニアがいないと言っているのに、どの企業もエンジニアを育てようとはしていませんでした。私は、それであれば可能性のある人たちを自分たちで教育して、ITエンジニア人材を輩出していこうと思ったんです。

折阪:なるほど。そこが教育への思いの原点なんですね。

中舘:無料でプログラミングスクールをやっているのは、自分が貧乏だったからです。この環境から抜けるのって本当に大変なんですよ。人によって状況が異なると思うんですが、バイトしてお金を貯めても、10万円のパソコンも買えない人っていると思うんですよ。そのような背景もあって、当社は全部無料でスクールをやっていて、パソコンも当社で用意しているんですね。特に貧困から抜け出せない子たちには、そういう環境を提供したいなという思いでやっています。


インターノウス中舘さん

ジースタイラスとインターノウス、業務提携の狙いとは?

渡邉:今回、ジースタイラスさんとインターノウスさんが業務提携を発表しました。どんなきっかけで協業に至ったのでしょうか。

折阪:実は、私から中舘さんにお声がけしたのがきっかけです。toiroworks(トイロワークス)のインターネット広告を見て、面白そうなことをやっていらっしゃるなと思い、ご連絡しました。

私の考えでは、企業からアプローチして学生を口説く逆求人型の採用って、企業にとってメリットしかないと思っているんですね。採用コストが抑えられるし、自社にマッチした人にも出会える。
でも未だに「合説でたくさん学生を集めて選抜する」という従来の採用プロセスが主流なんです。そこを自分は変えてきたいと思っているんです。証明としてマーケットのシェアをとって、プレゼンスを出す。認知だけじゃなくて、本当に逆求人型がいいんだという納得まで持っていきたいんですね。まずはシェア10%を狙いたいと思っています。

ただ現在、IT業界の中での「いい人材」って、一定の技術力がある人なんですよ。でも、すでにスキルを持っている人って少なくて、そこを増やしていかないことにはシェアは取れない。
そんな時に、長年その領域で事業をやっていらっしゃるインターノウスさんの存在を知りました。当社は情報系人材とのネットワークが強みで、一方インターノウスさんは育成ノウハウを持っていらっしゃるので、何か一緒にできませんかねと、ダメ元でお声がけさせてもらったのがきっかけです。

渡邉:そうだったんですね。折阪さんから連絡がきた時、中舘さんはどう思いましたか。

中舘:当初、ジースタイラスさんのことは知らなかったんです。競合の会社さんからは営業を受けたことがあったので逆求人自体は知っていました。当社が新卒向けの事業を始める前から、なんとなく逆求人みたいなことをやりたいなと思っていたんです。そんな中、新卒向けのサービスを始めたタイミングで折阪さんからご連絡をいただいたので、何か一緒にできたらいいなと思いました。

渡邉:今回、具体的にどのような取り組みをされるのでしょうか。

折阪:第一弾は、当社のITエンジニア会員にインターノウスさんの研修プログラムをご提供いただき、IT人材の輩出を加速させていきます。学生さんにとっては、当社だけではなく、インターノウスが持つ求人にも応募いただけるので、就職先の選択肢を広げていただけると思います。
私としては、当社の逆求人フェスティバル経由でも、インターノウスさんのtoiroworks(トイロワークス)でも、とにかくマッチングして欲しいなと思っています。

渡邉:インターノウスさんが若手人材に対して提供している研修と同じものを、今回、ジースタイラスさんの会員学生にも提供されるのでしょうか。

中舘:まずは、エントリーしてくださった学生さんとオンラインでお話ししてみて、現在のレベルを確認します。そのレベルに合わせて研修プログラムも調整していく予定です。

折阪佳紀さん 株式会社ジースタイラス 代表
2004年9月に株式会社ジースタイラス設立し、就職マッチングイベント「逆求人フェスティバル」を開始。「就活は1日で終えられる」をビジョンに掲げ、IT業界特化型の就職マッチングイベントを展開中。 中舘宏輔さん インターノウス株式会社 代表
米軍基地にて環境コンサルティング事業、通信事業者にて全国トップの営業成績を収める。米国留学、2005年上海起業家登竜門にてプレゼンテーションを行った後、2005年12月に代表取締役としてインターノウス株式会社を設立。 ITエンジニアの転職支援・教育(プログラマカレッジ)・派遣事業を展開している。

この記事を書いた人ワタナベアスカ 大学卒業後、2015年に株式会社ジースタイラスに入社し、ITエンジニア採用支援を計100社以上担当。
現在はフリーライターとして就転職や採用関連の記事を中心に執筆している。
趣味は美味しいものを食べることと、奈良散歩。
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