ITエンジニア新卒採用のためサマーインターン実施を検討しているものの、「一体どんな内容のインターンを実施したらいいの?」と頭を悩ませている方も多いのではないでしょうか。
今回は、早期層を惹きつけるサマーインターンについて、学生に人気のIT・WEB系企業の事例をご紹介しながら、ポイントを解説していきます。
※早期層=ここでは国内大手IT企業や外資系IT企業、人気のIT・WEB系ベンチャー企業から複数内定が出る層、またそれに準ずる層を指す
採用目的であれば就業型インターンがおすすめ!
昨今のITエンジニア新卒採用において、主流のインターン形式は次の2種類です。
・ハッカソン型:チームを組み、短期間で特定のテーマのもとアプリケーションの開発をするインターン
・就業型:一定期間、社内エンジニアと一緒に働く実務型インターン
「採用」を第一の目的とする場合、筆者は就業型インターンをおすすめします。
採用のためには、しっかり自社の魅力を伝え、じっくり自社との相性を見極めることが重要だからです。
なお、有名企業のインターンであれば、そもそも社名が知られている、先輩が前年参加していたなどで、エンジニア学生界隈で話題になります。
しかし、知名度がない企業の場合は、単に現場エンジニアと一緒に働ける就業型インターンを用意するだけでは、学生間で話題になりにくいです。
そこで、学生に自社のサマーインターンを認知してもらうためには、相応の報酬を出す、話題性のある内容にするなどの要素を加えることが重要です。
一方ハッカソン型のインターンは、エンジニアを20〜30名以上採用する企業が就業型インターンに次ぐ第二の受け皿として用意することが多いです。
就業型インターンの日程が合わない学生や、就業型インターンの合格水準には達しなかったが今後の成長が期待できる学生と接点を持つためです。
就業型とハッカソン型の2種類のインターンを開催する場合、その分、プログラムの企画や集客、社内エンジニアのアサインなど、工数がかかります。
リソースが限られている場合は、採用に直結しやすい就業型インターンに特化した方がいいでしょう。
ハッカソン型のメリットは知名度UP
なお、自社の知名度を上げることを主な目的とする場合、ハッカソン型を開催することで得られる効果もあります。
ハッカソン型は就業型と比べて、期間も短く、選考基準も就業型ほど高く設定する必要がないため、多くの学生を受け入れやすいという特徴があります。
エンジニア学生は、大学・研究室・サークル等で密な人間関係を築く傾向があるので、そのコミュニティー内での情報拡散を狙って、ハッカソン型を実施する企業もいます。
しかしながら、ハッカソン型インターンは、就業型に比べると学生に対する魅力づけの度合いは弱く、採用に直結しづらいのがデメリットです。
サマーインターンシップから採用実績を出すという成果にこだわるのであれば、就業型インターンに特化してプログラムを作成しましょう。
有名IT・WEB系企業のサマーインターン実例5選
ここからは、有名IT・WEB系企業のITエンジニア向けサマーインターンの実例を見ていきましょう。
今回は、23卒向けのインターンシップを一部ピックアップしてご紹介します。(2021年8月24日時点)
※左右にスクロールしてご覧ください
企業名
(順不同)
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インターン
形式
|
期間
|
報酬
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現場社員の動員
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サイバー
エージェント
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ハッカソン型 |
3日間 |
― |
一線級で活躍しているエンジニア社員からのコードレビュー・フィードバックあり
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就業型 |
2週間 |
1,500円/1時間 |
エンジニア社員メンターによるバックアップ・フィードバックあり
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DeNA |
ハッカソン型 |
2日間 |
6万円/2日間 |
・経験豊富なエースエンジニアがメンターとしてつく
・CTOも参加し、CTO目線でプロダクトへのフィードバックもあり
|
就業型 |
1〜3ヶ月 |
2,500円/1時間 |
経験豊富なエースエンジニアがメンターとしてつく |
ヤフー |
就業型 |
5日間 |
1,300円/1時間 |
サービス責任者・開発責任者・実際にその業務を担当している社員による成果物に対するフィードバックあり |
就業型 |
10日間 |
1,300円/1時間 |
メンターの社員と一緒にコードレビューやペアプログラミングなどを実施 |
LINE |
ハッカソン型 |
2週間 |
16万円/2週間 |
チーム毎にエンジニア社員のメンターが付き、技術的側面からサポート |
就業型 |
6週間 |
60万円/6週間 |
・1人1名エンジニア社員のメンターが付き、日々の業務をサポート
・CTOや社内エンジニアとの交流機会あり
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ソフトバンク |
グループ
ワーク |
2日間 |
― |
― |
ハッカソン型 |
5日間 |
― |
― |
就業型 |
2〜4週間 |
1,020円/1時間 |
先輩社員と席を並べて、実際の仕事に取り組む |
ここから、5社すべてが就業型インターンを実施していることが分かります。
また就業型を開催するにあたり、3つのポイントを押さえています。
①相応の報酬を出している
②現場エンジニアを動員している
③一部の企業はCTOやサービス責任者を動員している
このように、有名IT・WEB系企業でさえ、早期層を採用するために手を尽くしています。
いかに早期層の採用競争率が高いかをうかがい知ることができます。
上記ポイントを押さえたインターンの用意が難しい場合は、夏季は動かず、秋以降から就職活動を本格化させる層にアプローチするのが得策です。
この記事を書いた人ワタナベアスカ
大学卒業後、2015年に株式会社ジースタイラスに入社し、ITエンジニア採用支援を計100社以上担当。
現在はフリーライターとして就転職や採用関連の記事を中心に執筆している。
趣味は美味しいものを食べることと、奈良散歩。