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ITエンジニア新卒採用 何月から動けばいいの?

「うちは何月から採用活動を始めたらいいの?」という質問を、ITエンジニア新卒採用の人事担当者の方からよくいただきます。
今回は、ITエンジニア新卒採用の基本と、時期別の学生・企業動向について詳しく解説していきます。

これだけは押さえたい!ITエンジニア新卒採用の基本

まず、これだけは押さえたい3つのポイントをお伝えします。

採用スケジュールは前倒しの傾向

ITエンジニアを採用する一部の企業は、政府が主導する就活ルール(※1) に則ることなく採用活動を進めています。

(※1)2018年まで経団連が倫理憲章として定めていたが、2021年現在は政府主導の就活ルールが定められている

特に外資系IT企業や人気のIT・WEB系ベンチャー企業は、学部3年生の春または修士1年生の春頃から接触し始め、同年の12月までに採用活動を終えることも少なくありません。
近年は、一部の日系大手企業も、ITエンジニア学生との接触時期を早めています。

ITエンジニア学生は大手ナビ媒体を使わない傾向

ITエンジニア学生は、大手ナビを使わずに就職活動をする傾向があります。詳しくは以下の記事を参考になさってください。 東大大学院生が語る、エンジニア学生の就活スタイルと安定志向について

出現する学生の質・量は、時期によって異なる

採用を開始する時期が早ければ早いほど、技術力や情報感度が高いエンジニア学生と出会えます。
学生の母数については、時期が早いほど数は少なく、時期が経つほど動く学生数は増える傾向にあります。
中途人材のように、一年を通してランダムに候補者が出現するわけではないので、注意が必要です。

いつから動いたらいいの?時期別の学生・企業動向について

採用したい人材のタイプによって、企業が動くべき時期が異なってきます。

あなたの会社が採用したい人材はどのタイプですか?

①開発経験豊富な「即戦力」人材 

②授業外での開発経験あり!プログラミングが好きな学生

③プログラミングは授業レベルでOK!採用後にしっかり育てたい人材

①なら9〜11月、②なら12月〜3月、③は4月以降に動きましょう!

ここからは時期別の学生・企業動向についてさらに詳しく解説していきます。

【9〜11月】開発経験豊富な「即戦力」人材

学生

開発経験豊富な即戦力人材(※2)、IT企業で中・長期のインターンをしていて実戦での開発経験がある学生や、授業外で複数のプロダクト開発経験がある学生のことを指します。
このような学生は情報系専攻の学生の中でも1〜2割程度の希少な人材で、大手ナビ媒体に出稿してもなかなか出会うことはできません。

(※2)多くの中小ベンチャー企業にとっては即戦力になりうるためこのような表現を用いています。大手・有名企業にとっては即戦力の実力には至らない場合があります。

開発経験豊富な即戦力人材は次の2タイプに分かれます。

・夏から継続組:
サマーインターンシップ(以下、サマーインターン)に参加した学生のうち、就職活動を続けている層。
この学生は、夏季にインターン先企業の魅力を深く知り、秋口には企業選びの軸が定まりつつあるのが特徴。9月以降は、サマーインターン先の企業を「上回る」魅力のある会社があるかどうか、という基準で企業探しをすることが多いため、学生への魅力づけもインターン先の企業に勝てるよう工夫する必要がある。

・秋から開始組:
秋口から就職活動を始めた学生。
自主制作のプロダクトが複数あり即戦力に近い層だが、サマーインターンに参加していないため、「夏から継続組」に比べ秋時点では柔軟に企業を選ぶ傾向があり、企業としては魅力づけがしやすい。

企業

外資系IT企業や人気のIT・WEB系ベンチャー企業が積極的に動く。
なお上記2タイプともに人気だが、「夏から継続組」はサマーインターンで他社の魅力を十分に知った層なので、秋以降で初接触し志望度を上げていくのは、有名企業でも難易度高め。
この時期に動く企業の多くは、11月までに母集団形成を終え、年内に内定出しやクロージングを目指して動く。

【12〜3月】授業外での開発経験あり!プログラミングが好きな学生

学生

授業外でプロダクトの自主制作経験があるなど、ものづくりに意欲的な層。
9月〜11月に動く層と比較すると、この時点での成果物数や経験は少ないです。しかし自主的にものづくりをしていることから、少なくともプログラミングが好きで学ぶことを厭わないため、入社後も自走できる可能性が高いといえます。

企業

ITエンジニア採用に積極的な中小ベンチャー企業が動き出す時期。
社風や会社のフェーズ的に自分で考えて動ける学生を採用したい企業は、この時期に母集団形成をしておくのが吉。

【4月以降】プログラミングは授業レベルでOK!採用後にしっかり育てたい人材

学生

授業で情報科学について勉強しているが、プロダクトの自主制作経験が少ないポテンシャル層。社内研修やOJTを通して成長が見込める学生が多い。

企業

有名企業や採用に意欲的な中小ベンチャー企業との競争を避けたい企業や、入社後の育成に力を入れている企業は、4月以降からから母集団形成を開始するのがよい。

<タイプ別 市場出現時期まとめ>

※左右にスクロールしてご覧ください

4 5 6 7 8 9 10 11 12 1 2 3 4月〜
早期承諾層
(今回は紹介なし)
SI SI
即戦力人材
(夏から継続組)
SI SI
即戦力人材
(秋から開始組)
授業外での
開発経験あり
プログラミング
授業レベル

※SIとはサマーインターンシップのことを指す

重要なのは採用ターゲット像の設定

今回は、ITエンジニア新卒採用の基本と、時期別の学生・企業動向について解説してきましたが、いかがでしたか。
母集団形成の開始時期を決める上で最も重要なのは、採用ターゲット像の設定です。
それを定めた上で、自社採用ターゲットが動く時期と、競合企業の動向を総合的に判断して、スタート時期を決めることがポイントです。

ジースタイラス はIT・WEB系企業の採用支援を専門におこなっており、経験豊富なスタッフが採用計画立案のご相談にも乗っています。
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この記事を書いた人ワタナベアスカ 大学卒業後、2015年に株式会社ジースタイラスに入社し、ITエンジニア採用支援を計100社以上担当。
現在はフリーライターとして就転職や採用関連の記事を中心に執筆している。
趣味は美味しいものを食べることと、奈良散歩。
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