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ITエンジニア採用のプロ2人が語る!業界の課題と今後の展望 インターノウス×ジースタイラス

2021年10月、インターノウスとジースタイラスが、若手ITエンジニアの育成に向けて、業務提携を発表しました。
今回は、ジースタイラスの折阪さんとインターノウスの中舘さんに、ITエンジニア採用における課題について詳しくお話を伺いました。

※ 前半はこちら

ITエンジニアの中途採用は課題だらけ。インターノウスが考える、突破口とは?

渡邉(インタビュアー):本日は新卒・中途採用領域のプロお二人に、それぞれの業界について詳しくお話を聞きたいと思います。まず中舘さんから、ITエンジニアの中途採用における課題について詳しく聞かせていただけますか?

中舘(インターノウス):正直、課題だらけですね。本当にITエンジニア人材が採用しづらいんですよ。有名企業にばかり人が集まっている状況です。Web系のスタートアップでも、BtoCで知名度のある企業には集まるんですが、BtoBだと集めにくいですね。

あと、最近はフリーランスが増えていて、企業は正社員としての採用が難しくなっています。スタートアップやWeb系だと、勤続年数が比較的短いじゃないですか。 そうなると、ITエンジニア自身も、正社員じゃなくてフリーランスでもいいと思う人もかなり多くなってきていると思います。
実際、弊社でもRubyやJavaといった言語の案件は勿論、ネットワークエンジニアのフリーランス案件(https://proengineer.internous.co.jp/freelance/search/jobcat-290)や、QAエンジニアのフリーランス案件(https://proengineer.internous.co.jp/freelance/search/jobcat-275)などもそろえています。幅広い職種でエントリーを頂きますよ。

SESという形態で働くのであれば、正社員よりもフリーランスのほうが良いという人も増えていると思います。キャリアの捉え方によっても違うと思うんですが、プロダクトや組織にコミットしたい人は正社員を選ぶ傾向にありますが、そうでない人は、報酬も高めなのでフリーランスを選ぶ場合が増えていると思います。

渡邉:正社員が採用できない、コア人材が不足するとなると、企業も事業を伸ばしにくいですよね。

中舘:そうですね。ですので、コア人材がいない企業は顧問を活用している企業も増えています。最近だと有名なCTOの方は、複数社の顧問を引き受けている方もいますね。10社見ていますっていう人もいますよ。

渡邉:10社...!すごいですね。2030年にIT人材が最大79万人の不足すると言われていますし、厳しい状況が続きそうですね。インターノウスさんが注力していらっしゃるITエンジニアの育成以外に、課題を解決する手立てはないのでしょうか。

中舘:ITエンジニアが多く在籍している会社を買収するというのは、手っ取り早くITエンジニアを確保する手段だと思います。あと最近はオフショアはかなり定着していますね。

渡邉:まだ海外の方が人件費は安いのでしょうか?

中舘:国によりますね。ベトナムやカンボジア、バングラディッシュはまだ安いです。
日本は管理部門のみで、開発部隊は全部ベトナムという会社もありますし、最近はラクスルさんもインドで拠点を作っています。
教育も一つの手段ですが、様々なアプローチで日本のIT業界の問題を解決していかなければならないと思います。


インターノウスさんのオフィス

新卒も職種別採用の機運。変化する日本の新卒採用のあり方

渡邉:中舘さん、ありがとうございます。次に新卒採用について、折阪さん詳しくお話を聞かせていただけますか?

折阪(ジースタイラス):中途と新卒って分かれていますけど、最近この境目がなくなってきていると感じています。新卒でも従来の総合職ではなく、職種別採用を取り入れ始めている企業もいますし、特にITだと新卒と中途の境目がなくなってきていると感じますね。

中舘:当社のtoiroworks(トイロワークス)という新卒向けのサービスでいうと、大手ナビ媒体と違って「総合職」という募集のかけ方ではなく「営業」「ITエンジニア」などと指定して募集をかけてもらっています。各求人は、各部署のハイパフォーマーの適性診断結果と紐づけられており、その求人ではどういう個人特性を持った方を募集すべきかがわかるようになっています。

最近ある大手の金融機関さんとお話しした際にも、総合職枠を徐々に減らして、ジョブ型に切り替えていくとおっしゃっていました。日本の採用のあり方も少しずつ変わっていくんだと思います。

折阪:それと新卒ビジネスはこの2年間で状況が変わってきたなと感じています。OfferBoxを運営しているi-plugさんや、ワンキャリアさんも上場しましたし、次はGoodfindを運営するスローガンさんが上場予定です。今までは新卒というと、中途の小さい版というイメージがあって、上場しても値がつかないと言われていたのが、少しずつ市民権を得はじめていると感じています。

中舘:ちなみに、逆求人型のサービスっていつ頃から出始めたのでしょうか?

折阪:ほとんどリーマンショック以降ですね。ビズリーチさんやOfferBoxさんが有名どころですが、当社もその波にのらせてもらって、イベントで事業を伸ばしてきました。
ちなみに当社が創業した2004年って、大手ナビ媒体を使った就職活動が主流だったんですが、「たくさんエントリーして、たくさん受けることが『正解』なんだっけ?」と学生から疑問の声からあがり始めたタイミングだったんです。

中舘:なるほど。どこが最初に逆求人型のイベントを始めたんですか?

折阪:当社です。

中舘:当時、逆求人っていう言葉もなかったんですか?

折阪:なかったですね。

中舘:名前ってどう思いついたんですか?

折阪:はじめ就職オーディションみたいな色を出したく、ネーミングは求人の逆だなぐらいの感じで「逆求人」という名前をつけました。当時マスコミの知り合いもいて、今度逆求人っていうイベントを開催するって言ったら、思いのほか反応がよくて。このネーミングいいんだって思って、そこからずっと使っています。


ジースタイラス折阪さん

目指すは「採用と教育は、インターノウスとジースタイラスの組み合わせが一番」

渡邉:最後に、今後の展望について教えてください。

中舘:基本的に全部の事業を伸ばしていきたいと思っています。
その中でも、新卒も含めた若手の教育や就活・転職支援は特に私がやりたい領域なので、いっそう力を入れていきたいです。
ジースタイラスさんとは今回初めて提携させていただくんですが、「採用と教育は、インターノウスとジースタイラスの組み合わせが一番だよね」という領域までもっていきたいですね。

渡邉:ありがとうございます。折阪さんはいかがでしょうか。

折阪:自社だけだとどうしても甘えが出てしまうと思うんです。新卒マーケット全体が伸びているマーケットでもないんですよね。ですので、提携によって当社もいい意味での緊張感をもち、成長率は2倍を目指していきたいですね。
そして今回インターノウスさんとのご縁をいただけたので、当社からインターノウスさんに何かしらお返しもできたらいいなと思っています。

渡邉:折阪さん、中舘さん、本日はありがとうございました!

折阪佳紀さん 株式会社ジースタイラス 代表
2004年9月に株式会社ジースタイラス設立し、就職マッチングイベント「逆求人フェスティバル」を開始。「就活は1日で終えられる」をビジョンに掲げ、IT業界特化型の就職マッチングイベントを展開中。 中舘宏輔さん インターノウス株式会社 代表
米軍基地にて環境コンサルティング事業、通信事業者にて全国トップの営業成績を収める。米国留学、2005年上海起業家登竜門にてプレゼンテーションを行った後、2005年12月に代表取締役としてインターノウス株式会社を設立。 ITエンジニアの転職支援・教育(プログラマカレッジ)・派遣事業を展開している。

この記事を書いた人ワタナベアスカ 大学卒業後、2015年に株式会社ジースタイラスに入社し、ITエンジニア採用支援を計100社以上担当。
現在はフリーライターとして就転職や採用関連の記事を中心に執筆している。
趣味は美味しいものを食べることと、奈良散歩。
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